障害者の法定雇用率引き上げと支援策の強化について
2023年1月18日に開かれた「労働政策審議会障害者雇用分科会」より、2026年までに障害者法定雇用率の段階的な引き上げが発表されました。
①障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられます。
令和2023年度 | 令和2024年4月 | 令和2026年7月 | |
民間企業の法定雇用率 | 2.3% | 2.5% | 2.7% |
対象事業主の範囲 | 43.5人以上 | 40.0人以上 | 37.5人以上 |
⇒障害者を雇用しなければならない対象事業主には、以下の義務があります。
・毎年6月1日時点での障害者雇用状況のハローワークへの報告
・障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」の選任(努力義務)
②除外率が引き下げられます。(令和7年4月以降)
除外率が、各除外率設定業種ごとにそれぞれ10ポイント引き下げられ、2025年4月1日から以下のように変わります。
(現在除外率が10%以下の業種については、除外率制度の対象外となります。)
除外率設定業種 | 除外率 |
・非鉄金属第一次製錬 ・精製業 ・貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く) | 5% |
・建設業 ・鉄鋼業 ・道路貨物運送業 ・郵便業(信書便事業を含む) | 10% |
・港湾運送業 ・警備業 | 15% |
・鉄道業 ・医療業 ・高等教育機関 ・介護老人保健施設 ・介護医療院 | 20% |
・林業(狩猟業を除く) | 25% |
・金属鉱業 ・児童福祉事業 | 30% |
・特別支援学校(専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除く) | 35% |
・石炭 ・亜炭鉱業 | 40% |
・道路旅客運送業 ・小学校 | 45% |
・幼稚園 ・幼保連携型認定こども園 | 50% |
・船員等による船舶運航等の事業 | 70% |
③障害者雇用における障害者の算定方法が変更となります。
・精神障害者の算定特例の延長(2023年4月以降)
週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者について、当分の間、雇用率上、雇入れからの期間等に関係なく、1カウントとして算定できるようになります。
・一部の週所定労働時間20時間未満の方の雇用率への算定(2024年4月以降)
週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになります。
④障害者雇用のための事業主支援を強化(助成金の新設・拡充)します。(2024年4月以降)
・雇入れやその雇用継続に関する相談支援、加齢に伴う課題に対応する助成金を新設します。
■障害者雇用に関する相談援助を行う事業者から、原則無料で、雇入れやその雇用継続を図るために必要な一連の雇用管理に関する相談援助を受けることができるようになります。
■加齢により職場への適応が難しくなった方に、職務転換のための能力開発、業務の遂行に必要な者の配置や、設備・施設の設置等に行った場合に、助成が受けられるようになります。
・既存の障害者雇用関係の助成金を拡充します。
障害者介助等助成金(障害者の雇用管理のための専門職や能力開発担当者の配置、介助者等の能力開発への経費助成の追加)や職場適応援助者助成金(助成単価や支給上限額、利用回数の改善等)の拡充、職場実習・見学の受入れ助成の新設など、事業主の皆様の障害者雇用の支援を強化します。
出典:厚生労働省 障害者雇用対策 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)